お酢ダイエット
ダイエットにもいろいろな方法がありますが、その中のひとつに酢を使ったダイエットがあります。
酢は人類が造った最古の調味料とも言われ、貯蔵していた果物などが自然発酵し、偶然発見したことから始まったと伝えられています。日本では、4~5世紀頃に中国から醸造技術が伝えられ、和泉の国(大阪府南部)がはじまりと言われています。奈良・平安時代にはすでに合わせ酢として、梅酢や柿酢などが登場していますが、一般に調味料として広がったのは江戸時代になってからのことでした。お寿司の誕生もこの頃です。
私たちの体の中には食べたものをエネルギーに変えるクエン酸回路があります。このクエン酸回路を活発にするのが酢に含まれる有機酸です。有機酸である酢酸が体内に入ると、クエン酸回路が活性化され食事から摂った脂肪や糖質の燃焼が高まり、多くのエネルギーが生産されます。
さらに、酢に含まれるアミノ酸(リジン、アラニン、プロリン、アルギニン)には脂肪分解を促し、新陳代謝を高める働きがあります。なお、このようなアミノ酸パワーによる効果をきちんと上げるには、酢の選び方も重要な要素になってきます。アミノ酸はたんぱく質を分解してできるものなので、原料にたんぱく質を含む穀物酢・米酢・玄米酢には多く含まれています。玄米酢や黒酢、香酢にはアミノ酸が一層豊富に含まれているため、必然的にダイエット効果も高くなります。
また、酢を飲むと私たちの体は短時間でアルカリ性になります。私たちの体は弱アルカリ性に保たれていますが、食べる物によっては酸性やアルカリ性に傾くことがあります。
現代の日本人の食スタイルでは酸性になりがちですが、これを弱アルカリ性に保ってくれるのが尿です。酢を飲み、体がアルカリ性になると、腎臓がこれを察知し利尿作用を促します。そうすると尿として体内の余分な水分や老廃物が共に排泄され、結果的に体のむくみの解消に繋がるのです。
ある酢のメーカーですが、酢を摂取することによるダイエット効果を調べた実験を行ないました。
このメーカーは、血中中性脂肪の値が高めで、肥満気味の人が、大さじ1~2杯の酢を12週間摂取すると、内臓脂肪や中性脂肪、体重、腹囲などが減少することを臨床試験で確認しました。
臨床試験は、BMI25~30と肥満傾向にあり、血中中性脂肪が100~250mg/dlと高めの25~60歳の男女175人を対象としました。これらの被験者を、食酢をとる量によって3群に分けました。具体的には「食酢30ml(大さじ2杯)」「食酢15ml(大さじ1杯)」「食酢なし」で、これらを含む飲料を1日500ml、朝食と夕食後に半量ずつ飲んでもらいました。「食酢なし」群の飲料には、乳酸で酸味をつけることで、食酢入り飲料と味を似せさせ、二重盲検試験で行ないました。
12週間後、脱落者などを除く155人について、データを解析したところ、15ml群、30ml群ともに、体重、胸囲、血中中性脂肪、内臓脂肪、総脂肪が摂取前と比べて、減少しました。15ml群より30ml群の方が減少幅は大きい傾向にありましたが、15ml群で、平均で体重1.17kg減、腹囲1.43cm減、血中中性脂肪28.2mg/dl減となりました。
摂取期間終了後も4週間観察を続けたところ、食酢を飲んでいた2群については、その非摂取期間で体重、BMI、腹囲、体脂肪率が、摂取前の数値に近づくことも確認されました。つまり、酢の肥満抑制効果を得続けるためには、「酢を飲み続けなければならない」ということになります。
ちなみに、食酢90mlを肥満傾向のない人に1ヶ月飲ませたところ、体重や血中中性脂肪値の減少は認められませんでした。このことから、酢の肥満抑制効果は、肥満傾向のある人は期待できますが、誰もが酢を飲めば痩せられるわけではないと言えそうです。
次に、効果・効能について見てみます。
①便秘の改善
ストレスや環境の変化などで起こりやすい便秘ですが、ダイエットの大敵でもあります。放っておくと対外に排出されるはずの老廃物が有害細菌を発生し、肥満や肌荒れの原因になることがあります。酢を摂取すると、その抗菌作用で、腸内の大腸菌などの有害細胞が減少し、腸内の働きが活発になります。すると、便意を催す炭酸ガスの発生が促され、便秘の解消につながります。
②生理不順の解消と美容効果
酢に含まれる酢酸には血液循環を円滑にする働きがあります。生理痛、生理不順を改善するには、ホルモンの分泌が良くなるように、代謝を高め、血液循環をよくすることが大切になります。と同時に血液循環が良くなることによって、表皮細胞まで栄養が行き届くようになり、肌にハリが出てきます。さらに、新しい肌を作るのに必要なコラーゲンの合成を活発にするビタミンCや、肌に栄養を運ぶ血管を若く保つビタミンEを効果的に摂取する手助けをしてくれます。
更に、新しい肌を作るのに必要なコラーゲンの合成を活発にするビタミンCや、肌に栄養を運ぶ血管を若く保つビタミンEを効果的に摂取する手助けをしてくれます。よって、ビタミンCを多く含む食品や、ビタミンEを多く含む食物油を使った料理を食べる時は、酢と一緒に摂る事をお勧めします。
③肩こり・腰痛改善
肩こり・腰痛の原因は、消費されたエネルギーの燃えカスとして体内に蓄積される乳酸です。乳酸は細胞内で新しいエネルギーを作る《クエン酸回路》に入れないピルビン酸が変化してできるもので、この乳酸が肩の筋肉の周辺に過剰に増えると肩こりになり、腰の周辺に増えると腰痛を引き起こす要因になります。これを防ぐ為、クエン酸回路を円滑に回す酢酸の入った、酢を飲むことが有効です。
④ストレス
人間はストレスを感じると緩和させる為にステロイドホルモンを出します。その際、体内のビタミンCが大量に使われます。酢にはカルシウムやミネラルの吸収を促進させる働きがありますので、ストレスを感じた時には酢とビタミンCを一緒に摂ることが効果的です。
⑤口臭
酢の抗菌作用には、口腔内の雑菌の繁殖を抑えて歯槽膿漏を防いだり、歯茎に付着した食べカスの腐敗を防ぐといった効果があります。
⑥冷え性
冷えの1番の原因として考えられるのは、血液循環が悪くなることです。血液は、内臓が働いて体の中央で発生した熱を体の隅々まで伝えるのですが、血行が悪くなると、手足などの末端まで十分に熱が伝わりません。酢は、血液循環をスムーズにする効果があるので、冷え性改善には効果的です。
⑦カルシウム不足
カルシウムは体内で吸収されにくい特性がありますが、酢と一緒に摂ることで吸収率が30~50%高まると言われています。調味料として酢を加え、骨付き肉や貝を煮ると、骨や甲殻からカルシウムが煮汁に溶け出し、より多くのカルシウムを摂ることができます。また、酢を牛乳で割ると、カルシウムの吸収率も高まります。
次に酢の摂取の仕方について、取り上げておきます。
まず運動時に関してですが、冒頭に書きましたクエン酸回路ですが、酢によってこの回路が活性化され、体内に取り込まれた脂肪や糖質をより一層燃やします。また、酢に含まれるアミノ酸は、脂肪が体に貯まるのを防ぎます。よって、酢を飲むことで脂肪が燃焼されやすい体になるので、運動するなら、その前に飲むことをお勧めします。なお、運動ですが、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。なぜなら、ダイエット効果を発揮するには、「クエン酸サイクル」を回す必要があります。そのためには、酸素が必要だからです。ウォーキングは、酸素を十分体内に、また効果的に取り込むことが出来る、有酸素運動だからです
次に飲料用として飲む場合ですが、酢は刺激物なので、空腹時に酢を飲むと胃酸の酸度が上がり、胃壁が荒れてしまうことがあります。飲料用の酢には、希釈度が表示されているので、それに従って、必ず薄めて飲むようにして下さい。なお、飲みやすくするために付ける「甘み」にも注意が必要です。酸っぱいからといって、砂糖や蜂蜜などをふんだんに加えてしまっては、カロリー過多になってしまい、意味がありません。上手に調整しましょう。市販されている酢ドリンクにもしっかり甘みが付けられているので、カロリーがそれなりにあることを忘れないようにしましょう。回数も、1度にたくさん飲むよりも、朝晩など数回に分けた方が効果的です。
また、食事との関係ですが、食前だと酸味によって食欲を刺激され、食べすぎてしまう原因になりかねません。よって、胃酸の分泌が促進され、消化も助けてくれることにもなる、胃に食べ物がある食後に酢を飲むことをお勧めします。あるいは、食事と一緒に摂取すると、酢による血糖上昇を和らげる(胃の食物滞留時間を延ばし、食べ物がゆっくりと腸に入る)働きにより、急激な血糖値の上昇を抑えることができます。つまり脂肪を体に取り込みにくくするので、高脂肪な食事や炭水化物中心の日本食に取り入れるのは、もってこいです。
最後に、基礎代謝量が下がっている場合、酢を摂取するだけでは痩せにくいとの報告があります。不規則な生活が続いたり、お酒を飲み過ぎたりすると、基礎代謝量が下がったり、内蔵機能が衰えて痩せにくい体質となっている可能性があります。痩せられなかったという方は、基礎代謝量を上げることを心がけましょう。